最も難しい選択

2006年12月13日作成

順天堂大学病院で再び次男のつらい診察が始まった。韓国とは違って毛布で次男をぐるぐる巻きにし、親は部屋の外で待つようにと言われた。

次男の診察の様子は見えなかったけどドアの中から聞こえる凄絶な鳴き声に相変わらず胸が痛んだ。

韓国と変わらぬ診察結果・・・先生は目下のところ手術の必要はないと言った。

ただ、そのままにしておくと緑内障と白内障などの合併症がほぼ確実に発病するのでそのときに手術しましょうと言われた。

ソウル大学病院では眼の表面の白い膜を除去する手術をしましょうと言われたと伝えるとようやく望むなら早期手術も可能だと言う。しかし、全身麻酔とか手術後の副作用が発生する可能性もあり手術をしたからといって良くなる事は何も無い場合もあるので親が望めば手術をするけどそうでなければもう少し様子を見ようと言う。

合併症のせいでいつかは手術をしなければならないなら、また早くやる事によって眼の状態が少しでも良くなる可能性があるならリスクがあるとしても手術をすべきだと考え12月19日に手術を受ける事で予約を取った。

手術を受けるための各種検査・・・CTスキャン撮影、小便検査、心電図検査、採決などなど・・・小さい赤ちゃんに血がどれぐらいあるというのか・・・無情にも大量の血を採決していた・・・

採決が終わりぐったりとしている次男を見て果たして正しい事をしているのかと落ち着かなかった。

いざ手術を受けると決めたけど手術を受けてもたいして良くなる事も無く、たくさんのリスクを抱えている事を考えると複雑な心境だった。

そして1週間後、日本で小児PHPVで一番有名な国立成育医療センターの先生に診察を受けた。

日本での第一人者と言われているらしいのでよほどの事が無い限りこの先生に手術を受けようと期待を持って病院を訪れた。

しかし、先生の話はとても衝撃的だった。手術を受ける必要は全くなく、いずれ顔が歪んで来るはずなので6ヶ月頃から義眼をしましょうという事だった。

あまりにもきっぱりと手術の必要は無く、合併症も無いだろうという事で手術を受けるというのは愚にもつかぬ話だと言われ何がなにやらと混乱に陥った。

この病院で手術を受けたいと思い来たのにすべてをあきらめて義眼を付けろとは・・・

先生が言う事は理解出来るけど、あまりにも違う意見にどちらの話を信じるべきか見当もつかなかった。

手術を受けるべきか・・・受けないべきか・・・いくら考えても答えはないように思えた。

今まで生きてきた中でいろいろな選択をしてきたけど今回ほどつらい選択は無かった・・・

次男の人生がかかっている問題なので・・・